首都圏の大学生主体の異世代交流プロジェクトです! 「子どもたちのお兄ちゃんお姉ちゃん」を目指して400人の大学生が奮闘中💨 東日本大震災以来9年間交流を続け、今では交流地域拡大中です!
一橋大学支部4年のがくちゃんこと猿樂知史です!
生まれて初めて「故郷」と思える場所ができました。
僕夏に入って、岩手に行ったのは合計10回。いつの間にか故郷になっていました。
自分は高知で生まれて、幼少期を大阪で過ごし、その後東京に引越しをし、東京都内でも更に1回引越しをした。
故郷の定義はいくつかあるだろう。生まれた場所や幼少期を過ごし言葉を覚えた場所、高校卒業するまでを過ごし人格形成の基礎となった場所。自分は3つとも違う県だ。だから「故郷はどこですか?」とか「出身地は?」といった何気ない質問に答えるのがいつも苦手だった。
さらに、自分は家族とあまり上手くいってなく、家が安心する場所だと思うことがあまり無かった。
そういう訳で、僕夏に入るまで故郷と呼べる場所が無かった。
帰りたいと思う場所があるということ、そこにいれば日常があるということ、そういう故郷がずっと欲しかった。
僕夏には1年生の秋に入った。大学に入った当初はやる気のない適当な生活を送っていて、ボランティアとか学生団体とかとは無縁の人だった。中学高校時代を運動部に打ち込んできた反動だったかもしれない。
転機が訪れたのは1年の秋にあった学園祭の夜。
学園祭実行委員の友達が嬉し泣きをしているのが羨ましくなった。
自分も今まで何かを頑張って達成感を味わってきた。大学生活でも何かに打ち込みたい。そう思って、いくつかのサークルや団体の活動を見て、友達が入っていた僕夏に入会することを決めた。子どもは好きだし、地方創生とかボランティアとかにも興味あったのも入会を決めた理由だ。
大学2年、初めての夏企画。
初対面の岩手の子どもに何が出来るのだろう。不安と期待が入り交じっていた。台風が直撃し、交流出来たのは最終日のたった1日。正直いって、不完全燃焼だった。
だからこそ、大槌の祭りの日はすごく記憶に残っている。同期のみーちゃんが祭りリーダーをやって、みんなに助けられながらもリーダーとしての責務を全うしていた。本当にかっこよかった。その姿に憧れて、自分も祭りリーダーになりたいと思った。
大学3年、6月。
祭りリーダーとして、事前に現地訪問することになった。僕夏OBで宮古に移住した春さんの紹介で、ヒデさんという方を初めとし、多くの方との飲み会をする機会があった。
その時ある方に、自分には故郷と呼べる場所がないという話をした。そしたら「僕夏というボランティアで岩手に貢献してくれているんだし、岩手を故郷と呼んでいいよ、帰ってくる場所にしていいよ」と言ってくださった。
生まれて初めて故郷と呼べる場所ができた。
嬉しかった。
その瞬間から、故郷の子どもや人々に貢献するために僕夏を頑張ろうと思うようになった。
頑張りたいという曖昧な感情が明瞭な目的を伴なった。
大学3年、2回目の夏企画。
子どもたちとの初めての再会。基本的には毎年同じ小学校と交流するのが僕夏の魅力の1つかもしれない。1日目の朝から「がくちゃん〜」って子どもたちが擦り寄ってくる。「初めて会う大学生」から「知っているお兄ちゃん」になれたのかもしれない。
そして、祭りリーダーとしての大槌の祭り。本当に本当に忙しかったし、頑張ったと思う。この1年間、どれだけこの祭りの準備に時間を費やしただろう。
大槌の夏祭り恒例の「空に花、大地に花」の合唱。地元の方々が愛おしそうに涙を流して、聞いてくださっいる姿を見て、自分も涙が止まらなくなっていた。
ちゃんと岩手の方々のために祭りを運営できたんだと思えた。
大学4年。
就活や学業のために辞めていく同期は多かったが、まだ僕夏でやり残していることがあると思い、続けることにした。今でもこの選択は後悔していない。
大学4年、3回目の夏企画。
見慣れた景色、見慣れた顔。山田町周辺の地図も子どもたちの顔と名前も全部頭に入っている。ついに自分は子どもたちにとっての日常になった。山田町の地元トークでもついていける。だいたいの行動の予想はつく。いい意味でも悪い意味でも新鮮さはなかった。
そして、大学4年の10月、毎年交流している轟木小学校の学習発表会に参加させてもらった。
これが子どもたちと会う最後の機会だと思って、岩手に向かった。
学習発表会が終わり、子どもたちが家に帰るのを見送った。今まで子どもたちとのお別れの時には「またね」と言うことを心がけていた。
でも今回は「じゃあね」と言って見送った。
子どもたち1人1人の名前を言葉に出して、「じゃあね」と言った。そうして岩手に別れをつげた。
故郷からはいつか旅立つ時がくる。
僕夏に入り、岩手という同じ場所に関わり続けたことで、「また帰りたい」と思える特別な場所、「故郷」と呼べる場所ができました。
最後に僕夏で関った地域の方々、先生方、子どもたち、先輩、後輩、同期全ての方々に感謝を伝えたいです。
ありがとうございました。
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